家を借りる時、その3 ~「礼金」と「更新料」の話~

 家を借りる時、「礼金」という名目の支払が発生することがあります。

 この「礼金」とは、その名の通り、家を貸してくれた貸し手(大家さん)に対し、お礼として(これからよろしくという)意味合いで支払うお金です。なので、家を借りる最初時にだけ発生します。

 「礼金」は、だいたい家賃の1ヶ月分というのが一般的ですが、最近は、この「礼金」は免除して募集している物件も多いです。

 というもの、借り手がつきにくい人気のあまりない物件は、「礼金」をなしにして少しでも借り手の負担を軽くして、早く借りてもらえるようにしたいからです。

 反対に、借り手がつきやすい人気の物件であれば、「礼金」1ヶ月は当たり前で、物件によっては2ヶ月とか、それ以上というケースだってあります。

 「礼金」は、法律で決められているものでもなんでもなく、これまでの長い不動産賃貸の商習慣でできたものなので自由なんです。

 貸し手(大家さん)が借り手からなるべく多くのお金をもらうために考えられたものと言ってもいいかもしれません。

 そして、この「礼金」は、意外とばかにならず、例えば、家賃が毎月10万円で契約期間が2年の場合、2年間トータルの出費は、「礼金」なしでは、10万×24カ月=240万ですが、「礼金」1ヶ月の場合は、+10万円になりますから、2年トータル250万となり、つまり、毎月の家賃に換算すると、250万÷24ヶ月=10.41万ということなので、「礼金」ありの場合は、なしの場合と比べ実質、月々の家賃が5%近く高くなることがわかります。

 次に、「更新料」ですが、「更新料」もその名の通り、契約を更新する時に貸し手(大家さん)に支払うお金です。なので、家を借りる最初は、「更新料」は発生しません。

 だからかもしれませんが、契約する時、この「更新料」について気にする人はほとんどいません。

 でも、実はこれもばかにならないんです。

 「礼金」と同じように、契約を更新する時、家賃10万で2年間の契約更新をした場合、「更新料」なしだと、2年間トータルの出費は、10万×24ヶ月=240万ですが、「更新料」1ヶ月分だと、+10万ですから、250万となり、つまり、毎月の家賃に換算すると、毎月の家賃は実質、250万÷24ヶ月=10.41万となりますから、「更新料」ありの場合は、なしの場合と比べて、月々の家賃でやはり5%近く高いことになります。

 この「更新料」も、「礼金」と同じように、法律で決められているものではなく、これも長い間の不動産賃貸の商習慣でできたものです。

 ですから、最初に家を借りる契約をする際、家賃や礼金だけでなく、この「更新料」についても一度、交渉してみるのも手です。

 「礼金」は、家を借りる際に出て行くものなので借り手のみなさんはとても気にするんですが、案外「更新料」は、見落としがちで、不動産仲介業者からの事前の説明もなく、契約書に当たり前のようにさらっと書いてあるだけです。

 貸し手(大家さん)からすれば、早く借りてもらうために、最初の「礼金」は、諦めても、契約が更新される時には、「更新料」でちょっとでも取り戻せればいいやと思っているかもしれません。

 以上のとおり、「礼金」と「更新料」については、必ず支払う義務があるわけではありません。あくまで、貸し手(大家さん)の貸す時の条件であり、交渉次第ではなしでなる可能性もあるので、契約書にハンコを押す前に、ダメ元で一度、交渉をしてみるのも手です。

 家を借りる時には、「礼金」を確認することはもちろん、最初は見落としがちな「更新料」についても確認し、実際の家賃の負担がどれくらいになるのか、しっかりと理解、納得することが大切です。

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