後悔しない家選びのために必要なチェック その3-①
家を買う場合、持主、つまり、人間チェックの次は、いよいよ家(=モノ)のチェックです。
新築を買う場合には、販売業者が用意してくれると思いますが、中古住宅を買う場合は、次の情報を手に入れましょう。
1 建築計画概要書
2 建築会社の情報
3 実際の家の使用状況
1 建築計画概要書
「建築計画概要書」(けんちくけいかくがいようしょ)って、なかなか聞きなれない言葉ですが、建物を建てる時ってもちろん勝手に建ててはダメで、お役所に「これこれこういう建物を建てますよ、いいですか」、というお伺いを前もってたて、役所から「いいですよ」、と言われないと建てられないんですね。
簡単に言うと、この建てていい建物の説明が書かれているのが、「建築計画概要書」です。
管轄の役所で、どこどこの不動産を調べたいと言えば、誰にでも公開してくれます。
そこに書いてあることは、どこのどれくらいの土地に、どんな形の、どんな大きさの、どんな素材の、何階建ての、何のための建物か、誰が発注して、工事はどこの会社がやるのか、など、いろんな役立つ情報が満載です。
そして、せっかく役所に行くなら、併せて「検査済証」もセットでとってみてください。
「建築計画概要書」は、こんな建物を建てます、という事前のお伺いでしたが、「検査済証」は、「建築計画概要書」の計画のとおりの建物を建て終わりましたよ、というのを役所に知らせて、役所が、その通りの建物が建ったということを、証明するものです。
申請のとおりの建物が建っていることを検査して確認しました、という証明です。
この「検査済証」は、買う側にとって安心材料の一つになるので、建物の価値を高めてくれるものです。
そして、自分が買う時の安心としてはもちろん、もし将来、今後はその建物を売ることになったとき、「検査済証」が元々ある建物とない建物では、ある方が断然、値段が落ちにくいんです。
次に買う人にとっても「検査済証」があるのは安心ですから。
なので、この「検査済証」がない家は、将来安くなる可能性大です。
なので、ズバリ!、今時「検査済証」がない家は、買っちゃダメです。
2 建築会社
そもそも家を建てた建築会社が危ない会社だったら、イヤですよね。
さっきの「建築計画概要書」で、注目してほしいのは、建築工事をやった会社です。
その工事をやった会社がちゃんとした会社かしっかり調べる必要があります。
誰もが知っているような大きい会社でしたら、まずは、一安心ですが、そうでない会社もたくさんありますから(ちなみに調べる内容は、前回の持主チェックで調べたのと同じことを調べます)。
具体的な判断のポイントとしては、お金がちゃんとまわっているか、お金に困っていない会社か。
それから、もう一つは、長くやっている会社か。
赤字が続いていたり、大きな借金がある会社は、要注意。
本来より安い材料にして利益を抜いていたり、人件費をおさえて手抜き工事をやっている可能性だってあるからです。
「貧すれば鈍する」です。
お金に困っている会社は、あの手この手で生き残ろうとします。
お金をかけてちゃんとした建物を建てることより、自分の利益を優先しちゃいます。
そんな会社が作った建物なんて恐ろしくて住めないですね。
しかも、万一、将来何かあった時にすでにその会社がなければ責任もとってもらえません。
考えただけでも恐ろしいですね。
それから、長年やっているということは、大きなトラブルなく、続けてこられたという証ですから、信頼できる大きな裏付けになります。
借入が多い会社、赤字が続いている会社、そして、まだ歴史が新しい会社は、要警戒です。
3 実際の家の使用状況
最後は、やはり何といっても、現地確認です。
家そのものを実際によくよくみることです。
同じように建てられた家でも、家が建てられた環境、そして、住んでいる人の使われ方によって、年月が経過すると、大きな差が出ます。
海沿いは、錆など潮の影響が出ますし、日当たりがよくない場所は、カビで建物が傷んでいる可能性もあります。
定期的にしっかり手入れをしている建物は、いい状態が続きますが、長年さぼって何もされていない建物は、傷みがどんどん進んでいます。
雨漏りの跡、鉄部のサビや腐食、木材部分の劣化、気になることはこまめにメモをして、これまでどんなメンテナンスがされてきたのか、ヒヤリングしましょう。
家は、住む人の人となりが不思議と現れるものです。
嫌な雰囲気を醸し出している建物は、住む人にもそれなりのクセがあったりするもの。
まずは、いろいろ調べて、疑問や心配事のモヤモヤを少しずつなくしていくことが、後悔しない家選びのためにとても大切なことです。