地面と家は、別々の資産。

 不動産というのは、大まかに、地面と家のことですが、みなさんが住んでいるここ日本の場合、この地面と家は、それぞれ、別個の資産(お金になる財産)として扱われます。

 だから、みなさんが住んでいる家は、地面と家を合わせて一つの「家」なのですが、自分のもの(*1)という場合、地面と家の両方を持っているということになります。

 ちなみに、マンションに住んでいるという人は、マンション全体の一部分(マンションの部屋番号)だけを持っていて、マンションが建っている地面は、そのマンションに住んでいる人みんなで持っている(*2)ケースが多いかと思います。

 ところで、そもそも家は、物理的にその下に地面がないと建てられませんよね?だって、家を空中に浮かせて建てることはできないですから。   

 だから、地面と家をわざわざ別々に分けないで、まとめて1つにしちゃえばいいのに、と思う人もいるかもしれません。

 でも、地面と家が別々になっている方がいろいろ便利な場合もあるんです。

 別々になっているおかげで、地面と家を一緒に売ったり買ったりできるのはもちろん、地面だけ、もしくは、家だけを取引することだってできるからです。

 不動産は、一般的に高いモノですから、別々にすればその分、価格を抑えることもできます。地面と家の両方は買えないけど、家だけだったら買えるという場合にはぴったりです。

 また、単に地面だけ買いたい/売りたい、家だけ買いたい/売りたい人などのニーズに対応することもできます。

 例えば、家が建っていない地面だけあれば、そこを駐車場として人に貸して駐車料をもらうことや、住むための家を建てたい人やお店を作りたい人に地面を貸して、地面の利用料(*3)をもらうことができます。

 また、広い敷地を持っているお寺などの地主さん(地面の持主)から地面の一部を借りて(*4)、地面の利用料を払ってその地面の上に自分の家を建てて住むということもできます。

 一般的には、地面と家の持ち主が同じである場合が多く、よって、地面と家が一緒になって取引されることが多いかもしれませんが、このように不動産を持つ方法には、いろんなパターンがあるので、将来、不動産の取引をするような場面になったら、このことをちゃんとわかった上で進めていくことが大切です。

*1 所有権

*2 共有

*3 地代

*4 借地権

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