家を売る時、不動産仲介業者の選び方 その2
前回、仲介業者は、少なくとも2社以上に依頼、そして、そのうち、少なくとも、地元1社、大手1社は入れた方がいいという話をしました。
仲介業者を選んだら、必ずその仲介業者と契約(媒介契約)を結びます。
この契約は、カンタンに言うと、買い手を見つけてきて、売買契約がめでたく成約となった場合には、仲介業者に手数料を報酬として支払いますよ、と約束するものです。
この契約をしてくれないと、仲介業者は、安心して買い手を見つけられません。
で、この仲介会社との媒介契約は、全部で3タイプあり、この3つのうちのどれかで結ばなければいけません。
3つの媒介契約
1一般(いっぱん)
2専任(せんにん)
3専属専任(せんぞくせんにん)
この3つの違いは、何か、カンタンに言うと、1の一般(いっぱん)は、同時に仲介業者何社とも同時に媒介契約を結んでいい契約です。
2の専任(せんにん)は、仲介業者1社だけに任せる契約です。
浮気はできません、ただし、プロに頼まず、自分で買手を見つけてくるのはOKです。
3の専属専任(せんぞくせんにん)は、仲介業者1社だけに任せることは専任と同じですが、さらに、自分で買い手を見つけてくるのもダメな契約です。
つまり、一番あなたにとって、厳しい、制約がある契約です。
この中のどれを選ぶかは、もちろんあなたの自由なのですが、先ほど、説明したとおり、素人の人が家を売る時に、安く売らされて損をしないようにするためには、1社ではなく、複数の仲介業者に依頼するのがベストという話をしたとおり、あなたが選ぶべき媒介契約は、もちろん、1の一般(いっぱん)です。
なので、仲介業者に対しては、あなたから、迷わず一般媒介契約が条件です、と伝えてください。
仲介業者の方から、媒介契約は3種類あって、それぞれの違いはこうこうで、どれにしますか、なんて丁寧に説明してくれる親切な仲介業者なんてありません。
もし、あなたが、詳しく知らなければ、仲介業者は、当たり前のように、ごく自然に、あなたにとって一番制約がある3番の契約をさせようとします。
これ世の中のすべての仲介業者がそうと言っても過言ではありません。
それは、他社に浮気させないようにして、あなたを囲い込みたいからです。
専属専任、または、専任契約を結べれば、あなたは、他の仲介業者に頼めなくなりますから、その業者からしたら、競争相手を排除できるわけです。
仲介業者の立場からすれば、自分たちに有利な契約にしたいのは当然です。
さらりと気づいたら専属専任契約書だった、ってことがほとんどです。
ただし、もちろん、違法でもなんでもありません。
そういう説明をしてあなたが納得して署名、押印したって言われて終わりです。
こわいですねー。
仲介業者は、とにかく、売る家を持っているあなたを独り占めしたいんです!!
そこには、もう仲介手数料という果実がぶら下がってますから。
もちろん、この専任、もしくは、専属専任は、最長でも3ヶ月までと法律で決められていますし、途中で、あなたから解約することだってできますが、そこは、相手はプロです。
一度、つかんだら最後、死ぬまで(つまり契約を成立させるまで)あなたを離しません。
まさにもうスッポンです。
あの手この手で、あなたの同情を買い、時にはあなたの人情に訴え、専任が解かれないように必死です。
ライバルの仲介業者に媒介契約をとられようものなら、その担当者は、社内で立場がなくなります。
上司に叱られる、責任取らされる、顔が立たない、もう、泣き落としのオンパレード、めんどくさいです。
まあ、われわれのようにプロなら慣れっこなので、われわれに対しては仲介業者もそれほどしつこくしませんが、あなたは、不動産の素人、つまり、草原のうさぎ、インパラなので、それを見つけた仲介業者のライオンは、決して離さないでしょう。
そうです、だから、最初が肝心です。
最初に、きっぱり、法律でしっかり認められている一般媒介を堂々と選びましょう。
なお、途中で、一般から専任、専任から一般にすることももちろん可能です。
なので、まずは、一般で進めて、後で、真摯にやってくれる相性のよい仲介が見つかったとか、あれば後からそこだけに、専任で任せたってかまわないんです。
先に専任にしてしまうと、後から一般にするって、なかなかやりづらいもんなんです。
とにかく、まずは、一般(いっぱん)媒介契約からスタートする、です。